訓練の原則

1. 人はそれぞれ固有の能力を持っている

 訓練では弱みの改善に多くの時間を費やしましょう。重要な場面(資格試験・就活・大事な仕事など)ではあなたの強みを生かすことに重点を置きましょう。90点取れる得意なことを100点に近づけることよりも、40点未満の苦手なことを60点に近づけることに時間を使ってください。

2. 常にポジティブなことに目を向ける

 どんな練習でも、悪いことばかりに捉われずに、よかったことを探しましょう。うまくできたことがあれば、どんなに些細な事でも、その日のうちにノートに記録してください。

3. 好不調があることを見込んでおく

 どんなに優秀な人でも、練習や仕事で力の出せない日はあります。

4. 予想外のことに備えて、自習には柔軟性をもたせる

 例えば、筋肉痛で腕が上がらない日は実技の自主練をせずに、学科の自習日と入れ替えましょう。

5. 中期目標を設定する

 長期目標よりも達成しやすい、小さく身近な中期目標を設定しましょう。失敗しても、成功しても、そこから学ぶことがあります。

6. 目の前の課題に集中する

 訓練生に必要なのは、今あなたがしていることに集中することです。同じ作業をもう1度やるとしたらどこをどう変えるか、自分の頭でよく考えましょう。無駄に時間を使って他人を気にすることはやめましょう。他人の良いやり方・悪いやり方を学ぶことは有意義ですが、人と同じやり方をやったのにその人よりうまくできなかった、と悩むことは無意味です

7. 作業のミスはたいてい前半で起きる

 スタートで飛ばし過ぎて、大幅にスローダウンして終わることは避けましょう。作業も失敗するし、ケガにもつながります。特に若い訓練生に顕著です。

8. 訓練はやりがいを感じるものであるべき

 時にはいい練習になったと思えないこともあるかもしれません。それでも、練習の目的を毎回理解していれば、自分の進歩はきっと見えてきます。それがやりがいというものです。

9. 質の良い食事と睡眠をとる

 休養と栄養をとることは訓練の一部です。日ごろからきちんと食べ、きちんと眠っていれば、1回だけよくない食事をしたり一晩だけよく眠れなかったりしても、悪い影響は出ません。逆に、普段の食事や睡眠をおろそかにしていれば、1回だけよい食事を摂ったり一晩だけよく眠ったりしても、大した効果は望めません。

10.  病気にかかっているとき、ケガをしているときは訓練をしない

 休んでいれば2~3日で回復するような病気やケガであっても、無理を続ければ回復に時間を要する可能性が高まります。

11. 慢性的に体の不調があったら医師の診察を受ける

 たまに調子がよくないときがあっても大した問題ではありませんが、不調がしつこく続く場合は、治療が必要な事態になっている可能性があります。

12. うまくできた、は断じて偶然ではない

 たまたまうまくできたということは往々にしてありますが、素晴らしい仕事ができたならばあなたにその力があったからです。

  

※ 参考文献(元ネタ):Daniels, Jack, 2021, Daniels' Running Formula, 4th ed., Champaign.(篠原美穂・前河洋一訳,2022,『ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第4版』ベースボール・マガジン社.)